オーストラリアのETAS(観光ビザ)完全ガイド。申請手順や費用など全て解説。

オーストラリアに入国する場合絶対に必要なもの、それは『ビザ』です。オーストラリアではどれだけ短い滞在であっても入国の際には、必ず何らかのビザは必要となっています。さて、それではどんなビザが必要なのか?

 

ここでは、オーストラリアでの短期滞予定の場合のビザ、ETAS(観光ビザ)についてご案内していきます。ETAS(観光ビザ)は3ヵ月以内の滞在が可能なビザです。どのように申請するのか、どんな特徴があるのか見ていきましょう。

オーストラリアのビザ:ETAS(イータス)とは?

このETAS(イータス)と呼ばれるビザはオーストラリア版観光ビザです。ETASを取得する事で、3ヵ月以内のオーストラリアでの観光、商用目的の滞在はもちろん、就学をする事も可能です。

ETAS(イータス)とETA(イーティーエー)は同じビザ

オーストラリアのETASの正式名称はELECTRIC TRAVEL AUTHORITY SYSTEM(サブクラス601)です。各単語の頭文字を取り、ETASと呼ばれています。

 

まれにELECTRIC TRAVEL AUTHORITY SYSTEMから『SYSTEM』を取り、ETA(イーティーエー)と呼ばれる事もあります。呼び名が違うので別のビザかと思われる方も多いでしょうが、ETAS(イータス)とETA(イーティーエー)は同じビザです。

 

ちなみにアメリカにも短期のビザにような「ESTA」というものがあります。少しのスペルの違いだけなので、混同しないように気をつけましょう。

オーストラリアETAS(観光ビザ)の3つの特徴

ここではETAS(観光ビザ)の特徴を3点挙げています。ETASビザ申請や入国時に知っておくと便利なことなので、必ず読んでおいて下さいね。

1.オンライン申請で楽々

この電子入国許可システムのETASの特徴は、なんといっても申請手続きがすべてオンラインで完結することです。

 

オーストラリアでは、eVISA申請と呼ばれるオンライン申請が主流です。他にもワーキングホリデービザや学生ビザでもオンライン申請が可能です。

 

オンラインでの手続きのメリットはスピーディーさ。必要書類等をそろえておけば、あっという間にビザ申請が可能です。ただし、ワーキングホリデービザと学生ビザは健康診断が求められる場合があり、長いと数か月かかってしまいます。

2.ETAS(イータス)申請料金が無料

このオーストラリアの短期観光ビザの申請料金はなんと無料。ビザ代金が無料なのは、これから渡豪を考えている方にとって嬉しい限りですね。

 

ただし少し注意したい点が、このETAS(観光ビザ)に関しては無料ですが、オンライン申請する場合のシステム手数料は発生します。

 

オーストラリア移民局のオンラインシステム利用費は20ドル。必ず支払う必要のあるものですので、気をつけましょう。

 

また、このETAS申請は現在では日本語対応をしているので、それほど難しいものではありません。

3. パスポートに自動的に反映されていてビザシールなどはなし

ETAS(観光ビザ)は電子上での入国許可システムなので、申請し承認をされれば自動的にパスポートデータにETASを申請した事が記録されています。入国審査の時に審査官がパスポートを機械に通すとETASをちゃんと申請している事がわかるようになっています。

 

ですので、このETASビザの場合には、パスポートにビザのシールなどを貼られることはなく、特に入国審査時に説明をする必要はないです。

 

念のため申請した内容が目で見れるような証明書を持っていたいと思う方は、ETAS登録証明書を印刷して持っておくといいでしょう。

 

また、ETASは飛行機の搭乗手続きの際にも特にETASビザを見せる必要がありません。パスポートを航空会社のシステムから移民省ビザシステムにアクセスが可能で機械に通すだけで内容が確認できるようになっています。

オーストラリアETAS(観光ビザ)の申請詳細条件などは?

それでは、自分がETASビザの申請条件を満たしているのか?気になりますよね。詳細な条件をみていきましょう。

日本もしくは該当国のパスポートを保持していること

日本 / 韓国 / 香港 / マレーシア / ブルネイ / シンガポール / アメリカ / カナダ

 

上記の国はETAS対象の国です。申請者は上記の国のパスポートを保持している事が必須となります。

オーストラリアへの入国目的が観光、商用目的である事

オーストラリアETASは、観光または就学や商用を目的とする方の為のものです。商用目的も可能なこのビザですが、就労は認められていないのでご注意下さい。

 

就労目的の場合は、別のビザの申請が必要です。また、就学しながらアルバイトをしたい、と思っている方はワーキングホリデービザか学生ビザの取得が必要となります。

オーストラリア滞在期間が3ヶ月以内である事

ETAS(観光ビザ)では3ヶ月を超える滞在は出来ません。もともと長い期間の滞在を考えている方は、別のビザを申請するようにしましょう。

過去に犯罪歴のない方

過去に12か月以上の刑事有罪判決を受けている場合はETAS(イータス)が申請できません。

健康に問題がない方

結核にかかったことがある、また現在かかっている方などは申請に問題が出てきます。

 

※これらの条件を満たしておらずにオンラインで申請できない方は、旅行代理店、航空会社もしくはオーストラリアのビザオフィスを通じて申請できる場合があります。

オーストラリアETAS(観光ビザ)の有効期限と申請時期

さて、自分がETASビザの条件を満たしている場合、次にこのビザの申請はいつ頃すればいいのか?またこのETASビザの有効期限はどのくらいなのか?また有効期間中の出入国についての疑問も見ていきましょう。

オーストラリアETAS(観光ビザ)の有効期間

ETASの有効期限は、申請がおりてから12ヶ月間有効です。あまりに早すぎると期限が切れてしまいますね。

 

また、ここで1つ注意点があります。ETASビザはパスポートに自動的に反映されているものなので、申請がおりてから12ヶ月以内にパスポートの有効期限が切れる場合は、パスポートの有効期限と共にETASの有効期限も終了してしまいます。

 

パスポートの残存期間に注意しておきましょう。

オーストラリアETAS(観光ビザ)の有効期間中の出入国

ETASビザを持っているときに、オーストラリアと日本を行ったり来たりする場合はどうなるのか?また他の国に行く場合はETASビザはどうなるのか?気になりますよね。

 

答えは、有効期限中であれば数回に渡り入国する事は可能です。ただし一度の滞在期間の最大は3ヵ月ということを忘れないようにしましょう。

 

また、頻繁に入国をすることにより、入国審査で止められることも起こりえます。長期に渡ると推測できる場合は、他のビザも視野にいれておきましょう。

オーストラリアETAS(観光ビザ)の申請時期

オーストラリア行きが決まったら早速ETASのビザを申請しておきたい!という方もいるでしょう。しかし、ビザの申請はオンラインで非常に簡潔にされていますので、あまりに急いで始めなくても大丈夫です。

 

また、ETASビザの申請は、明記されていませんが、通常の場合は即日から数日以内に発給されます。出発の3ヵ月ほど前から、最低でも出発の1週間前までには完了するようにしましょう。

オーストラリアETAS(観光ビザ)の申請の仕方

それでは、いよいよETASビザの申請方法を見ていきましょう。現在は日本語での申請手続きが可能となっているので、それほど難しいものではありません。気になる点を含めて申請方法を解説していきましょう。

オーストラリアETASの申請前に準備するもの

まず、ビザ申請前に自分の横に下記のものを揃えておくと、スムーズに手続きができますよ。クレジットカードでの支払いが必須となるので、ない方は早めに準備しておきましょう。

  • パスポート
  • クレジットカード
  • Emailアドレス

ETAS(観光ビザ)ビザ取得方法

ETASビザ取得には3種類の方法があります。

  • ETAのアプリから申請:20ドル
  • 民間の「ETAS登録サイト」から申請:500円~2,000円
  • 旅行代理店などから申請:会社による

ETAアプリでの申請手順

ETAS(観光ビザ)申請時に気をつけるポイント

このようにETASビザ申請(ETAビザ)申請は決して難しいものではありませんね。しかし、慣れていないと少し分かりにくい部分もあるので、つまずきやすいポイントをさらに説明していきますので、ご確認下さい。

住所の記入方法を要注意

ETASビザの申請は、日本語で書かれているので質問文が分からないということはないですね。しかし、住所の記入方法などは、英語で入力する必要があるので注意しましょう。例えば日本の住所が東京都墨田区押上1-1-2の場合の記入方法は下記のようになります。

  • 町名・番地の欄には、「1-1-2, Oshiage」
  • 市区町村の欄には、「Sumida」
  • 州/省/都道府県の欄には、「Tokyo」
  • 郵便番号の欄には、「1112222」
  • 日本

 

他にもアパートやマンションなどに住んでいる人は、部屋番号の前に#をつけましょう。例えば、ビザアパートの101号室の場合は、#101 Visa-apartmentとなり、町名・番地欄の先頭に置きます。

電話番号の記入方法にも注意しよう

電話番号の記入方法も今一度確認しておきましょう。日本の国番号は「81」です。日本以外の国にすんでいる方は、国番号を調べておきましょう。

 

多くの方が携帯番号を登録すると思うので、例えば携帯番号が「080-1234-5678」の場合の記入方法です。「番号」の欄には、始めの0は入れません。ですので、「8012345678」と入力します。間違いやすいポイントですので気をつけましょう。

  • 国番号の欄には、「81」
  • 番号の欄には、「8012345678」

名前のアルファベットやメールアドレスを再度確認

ビザ申請時には、十分に気をつけて入力をされると思いますが特に間違えると困るのが、名前のアルファベットです。必ずパスポートに記載されているものと同じアルファベットで記入しましょう。

 

ETAS(観光ビザ)ビザはパスポートに自動的に反映されるので名前が違っていると、申請がすぐにおりないなど問題となります

 

また、次に気をつけたいのがメールアドレスの入力です。ETASビザはオンラインの申請となっており、システム利用料の支払い領収書や、ビザの可否もメールアドレスへ連絡がきます。

 

メールアドレスに間違いがあると連絡がスムーズにできない可能性があるので、十分に気をつけるようにしましょう。ちなみにメールアドレスは、GoogleやYahooなどのフリーアカウントでも問題ありません

ETAS(観光ビザ)がおりたら確認する事項

さて、それではETAS発給通知が届いたらいよいよオーストラリアへ行く日が近づいたことになりますね!

 

ちなみにETASビザがおりず、オーストラリア大使館に照会するようにとのメッセージが表示された場合、別途大使館への連絡などが必要になるので、できるだけ早めに対処するようにしましょう。

ETAS(観光ビザ)の内容を必ず確認しておこう

ETASビザの許可通知が届いたら、もうこれで手続きはいらないと放って置かずに再チェックしておきましょう。まずはまたパスポートを手元に置き、内容の確認が必要です。

  • パスポートと同じスペルの名前がETAビザ情報に登録されているか?
  • パスポートの番号は正しいか?
  • 誕生日は正しいか?
  • 正しい性別を選択しているか?男性の場合は「M」、女性の場合は「F」と表記されています。
  • 出生国は正しいか?
  • パスポートの有効期限は正しいか?

 

このようにETASビザはオーストラリア入国の際に非常に大切なものとなりますので、十分に確認し、スムーズに渡豪できるようにしましょう。

 

また、最後にパスポートの期限が十分に残っているかも再確認しておきましょう。ETASビザは申請した際のパスポートについているので、パスポートの期限が切れてしまっては、ビザは無効になります

 

パスポートの期限が心配な方は、ある程度残っていても早めに更新されることをお勧めします。

ETAS(観光ビザ)ではなく他のビザを申請したほうがいい場合

ここまで、オーストラリアのETASビザについてご案内してきましたが、オーストラリアで滞在するには他のビザももちろんあります。どのような場合に、ETASビザではなく、他のビザを申請したほうがいいのか?迷っていらっしゃる方もいると思うので、参考にしてみて下さいね。

3ヵ月以上の留学がしたい

オーストラリアETASビザは3ヵ月以内の短期観光ビザです。もちろん3ヵ月以内であれば、就学も可能ですが、3ヵ月以上の留学を考えている方は、学生ビザの申請をしたほうがいいでしょう。

 

学生ビザは、中長期の就学を考えている方向けのビザで、申請費用は2023年7月より$710に値上がりしています。また、学生ビザはCRICOSコードを持っている学校を規定時間以上受講することが条件とされ、週に20時間までの就労が認められています

現地でアルバイトをして収入を得たい

オーストラリアでとにかく働いてみたい!という方も少なくありません。そんな方にはいくら短期間の渡豪であっても、短期観光ビザのETASビザは適していません。ワーキングホリデービザなら自由に働くことができます。

 

また、ワーキングホリデービザでは、年齢などの面で適していないという方には、学生ビザとなります。学生ビザでも条件を満たせば一定の時間内で働くことができます。 オーストラリアでは不法な就労は厳しい処分となりますので、ETASビザでは決して就労をしないようにしましょう。

ワーホリに行きたい

オーストラリアでのワーキングホリデーに行く場合は、短期観光ビザのETASビザではなく、ワーキングホリデービザの取得が必要です。ワーキングホリデービザをすでにもっている方は、ETASビザは必要ありません。

 

ちなみオーストラリアのワーキングホリデービザとは、条件があえば、1年間自由に就労ができ、4ヵ月以内であれば就学もできるというとても便利なビザです。

 

またセカンドワーホリといって、農業などの指定の分野での季節労働を一定期間すればさらに1年間のビザをとることが可能です。

 

また2019年度7月からは、条件によってはさらにもう1年間延長できるサードワーホリの制度が始まりました。

 

ワーキングホリデー申請料は1年間で2019年7月より0に値上がりしています。ただし、18歳から30歳までの年齢制限があります。条件に合わない方は学生ビザなどを考慮する必要があるでしょう。

サードワーキングホリデー制度まとめ

オーストラリアETAS(観光ビザ)まとめ

オーストラリア入国にはどんな場合であれ必ず必要なビザ。短期の観光ビザETASを忘れずに申請し、素敵なオーストラリアを楽しんで下さいね。

永井将馬

オーストラリアのメルボルンにワーキングホリデーで渡航しました。メルボルンでは語学学校で一般英語を学び、市内にあるユニクロでアルバイトを経験。休日には職場のオーストラリア人と出かける事が多く、現地の人の視点でメルボルンの魅力を感じる事ができました。アメリカ留学の経験もありますので、アメリカとオーストラリアの違いもお話できます。

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