最終更新日:2026年10月

Q. オーストラリアの大学に留学するには?
A. 日本の高校卒業後は、ファウンデーション(大学準備コース)1年+学部3年で進学するのが一般的です。入学試験はなく、高校の成績と英語力で出願します。
オーストラリアの大学は世界ランキング上位の大学が多く、文系なら3年で学士号が取れます。このページでは、大学留学の入学ルート・英語力・費用・出願の流れと、学期や卒業年数などの制度をまとめて解説します。
オーストラリアの大学に入る3つのルート
オーストラリアには大学ごとの入学試験がありません。現地の高校生はYear 12(日本の高校3年)の統一試験の成績(ATAR)で出願し、留学生は高校の成績と英語力で各大学の留学生枠に出願します。日本の高校はYear 12より1年分の学習が少ないとみなされることが多いため、次の3つのルートから選ぶのが基本です。
ファウンデーション経由いちばん一般的
修了すると提携大学の1年次に進学できます。日本の高校を卒業してすぐ進学したい人に向いています。
ディプロマ経由2年次編入も
大学付属カレッジやTAFEのディプロマを修了し、単位認定を受けて大学2年次に編入できる場合があります。費用と期間を抑えたい人に。
直接入学条件あり
日本の大学で1年以上学んだ人、IB取得者、成績が特に優秀な人などが対象です。日本の大学からの編入にも使えます。
どのルートが使えるかは、大学・学部と高校の成績によって変わります。ファウンデーションの学費や入学条件はファウンデーションコース完全ガイド、TAFEのディプロマから大学へ進むルートはオーストラリアの専門学校(TAFE)留学ガイドで詳しく解説しています。
必要な英語力と高校の成績
出願で見られるのは、英語力と高校(または大学)の成績の2つです。英語力の目安は次のとおりで、看護・教育・法律などは学部の基準がさらに高くなります。
| 入学ルート | 英語力の目安 |
|---|---|
| 学部(直接入学) | IELTS 6.5前後(各セクション6.0以上) |
| ディプロマ | IELTS 5.5〜6.0前後 |
| ファウンデーション | IELTS 5.5前後 |
- 試験の種類:IELTSのほか、TOEFL iBT・PTE Academicも多くの大学で使えます。TOEICは出願に使えないことがほとんどです。
- 英語が足りないとき:大学付属の語学学校で進学英語コース(EAP)を修了すると、IELTSの再受験なしで進学できる「ダイレクトエントリー」が使えます。学校の一覧は大学付属の語学学校一覧にまとめています。
- 高校の成績:ファウンデーションはGPA(評定平均)2.5〜3.0程度から出願できるのが目安です。学部への直接入学や人気校では、より高い成績が求められます。
オーストラリアの大学留学にかかる費用
費用の中心は学費と生活費です。学費は大学と学部によって大きく違い、名門8大学(Go8)は高め、地方の大学は抑えめです。
名門8大学(Go8)の学費・生活費
学費が安めの大学の学費・生活費
※生活費は月A$1,700〜2,800(シェアハウス・自炊中心)、学生保険は年約A$700。卒業までの総額はファウンデーション1年+学部3年で、Go8は学費 年A$52,000、安めの大学は年A$32,000で計算した一例です。
学費は各大学が公表する2026〜2027年の留学生向け料金をもとにした目安です。大学ごとの学費はオーストラリアの大学一覧、学費が安い大学と節約のコツはオーストラリアの大学学費の比較、返済不要の奨学金はオーストラリアの大学の奨学金をご覧ください。学生ビザの申請料などを含めた留学全体の費用はオーストラリア留学の費用にまとめています。
目的別|おすすめのオーストラリアの大学
大学選びは「ランキング・知名度を重視するか」「学費と生活費を抑えるか」で大きく分かれます。代表的な大学を目的別にまとめました(学費は留学生向けの学部課程、年額の目安)。
世界ランキング上位を目指すなら|名門8大学(Go8)
19位UNSW(ニューサウスウェールズ大学)シドニー|工学・ビジネスに強い|学費 年A$49,700〜63,800›QS
22位メルボルン大学メルボルン|国内トップの総合大学|学費 年A$38,000〜62,200›QS
28位シドニー大学シドニー|国内最古の大学|学費 年A$51,700〜69,200›QS
29位オーストラリア国立大学(ANU)キャンベラ|研究・政治・国際関係に強い|学費 年A$51,200〜57,600›QS
31位モナシュ大学メルボルン|国内最大規模、医療・薬学に強い|学費 年A$39,500〜64,200›QS
40位クイーンズランド大学(UQ)ブリスベン|生活費を抑えやすい都市|学費 年A$48,100〜61,000›
学費を抑えたいなら|地方・中規模の大学
安めニューイングランド大学(UNE)アーミデール|自然豊かな学園都市|学費 年A$27,312〜35,808›学費
安めサンシャインコースト大学(UniSC)クイーンズランド州|海沿いのキャンパス|学費 年A$28,500〜38,500›学費
安めカーティン大学パース|就職に強い実学系|学費 年A$35,800〜43,300›学費
安めフリンダース大学アデレード|医療・看護に定評|学費 年A$35,500〜47,300›
※QSは「QS世界大学ランキング2027」。学費は学部・コースにより異なり、毎年改定されます。最新の金額は各大学の公式サイトでご確認ください。
全大学の一覧とランキングはオーストラリアの大学一覧、学費が安い大学は学費が安いオーストラリアの大学で詳しく比較しています。
出願の流れとスケジュール
入学は2月(メイン)と7月の年2回が基本です。英語試験や書類の準備に時間がかかるため、入学の1年〜1年半前から動き始めると安心です。
- 入学の12〜18か月前:ルートと志望大学を決める高校の成績と英語力から、ファウンデーション・ディプロマ・直接入学のどれを使うかを決めます。
- 12〜6か月前:英語試験を受けるIELTSなどで必要なスコアを取ります。足りない場合は付属語学学校の進学英語コースを組み合わせます。
- 6〜4か月前:出願する成績証明書・卒業(見込み)証明書・英語スコア・パスポートなどを提出します。
- 合格後:入学手続き条件付き合格の場合は条件を満たし、学費を支払うと入学許可証(CoE)が発行されます。
- 3〜1か月前:学生ビザと渡航準備CoEをもとに学生ビザを申請し、滞在先と航空券を手配します。
- 入学の1〜2週間前:現地到着オリエンテーションに参加して、授業開始に備えます。
オーストラリアの教育制度の全体像
オーストラリアの教育制度はイギリスの制度をお手本に作られており、初等・中等・高等教育が体系的に整えられています。日本の学年との対応は次のとおりです。
| 日本の学年 | オーストラリア | 教育課程 |
|---|---|---|
| 小学1〜6年 | Year 1〜6 | 初等教育(義務教育) |
| 中学1〜3年 | Year 7〜9 | 前期中等教育(義務教育) |
| 高校1〜3年 | Year 10〜12 | 後期中等教育(Year 12で各州の統一卒業試験) |
大学・大学院の学位は次のように区分されます。
| 学位 | 日本での相当 |
|---|---|
| Bachelor Degree | 学士号 |
| Honours/Graduate Certificate/Graduate Diploma | 学士(優等)・大学院準備課程 |
| Masters Degree | 修士号 |
| Doctoral Degree | 博士号 |
オーストラリアの学位・資格は「AQF(Australian Qualifications Framework)」という国の共通枠組みで10段階にレベル分けされており、Certificate(VET・TAFE)からBachelor(レベル7)、Master(レベル9)、Doctoral(レベル10)まで一貫した基準で管理されています。そのためTAFE(職業訓練校)で取得した単位を大学に持ち込む「単位認定」もしやすく、進学ルートの選択肢が豊富なのが特徴です。
学期・休暇カレンダー
オーストラリアの大学は基本的に2学期制です。南半球に位置するため季節が日本と逆になり、長期休暇の名称も逆になります。多くの留学生はこの長期休暇にアルバイトをして学費をまかないます。
| 区分 | 期間 |
|---|---|
| 前期(1学期) | 2月末〜6月末 |
| 後期(2学期) | 7月末〜11月末 |
| ウィンターホリデー(冬休み) | 6月末〜7月末 |
| サマーホリデー(夏休み) | 11月末〜2月末 |
※ 学期・休暇の時期は州や大学によって多少前後します。
なお一部の大学(ボンド大学など)は年3学期の「トリメスター制」を採用しており、通常より短期間で卒業できる場合もあります。入学時期は2月(メイン)と7月の年2回が基本で、コースによっては前期・後期どちらからでも開始できます。渡豪・住居探し・オリエンテーションの期間も見込み、開始の1〜2か月前には現地入りするのが安心です。
卒業までの年数と学位
オーストラリアの大学は、文系で通常3年、理系で4〜6年で卒業できるように制度が組まれています。日本より1年短いのは、日本の大学1〜2年で学ぶ一般教養科目を、オーストラリアではYear 11〜12(日本の高校2〜3年に相当)で履修済みのためです。そのため日本の高校から直接進学する場合は、一般教養を補うファウンデーションコースの受講が一般的です。
3年制の学士課程に加え、成績優秀者が1年間研究に取り組む「Honours(優等学士)」や、医学・法学・工学など専門性の高い分野では4〜6年かかる課程もあります。大学院は修士1〜2年、博士3〜4年が目安で、Bachelor→Master→PhDと段階的に進むのが一般的です。学部で学んだ分野と異なる領域へ大学院で進む「専攻変更」も比較的柔軟に行えます。
日本の大学との制度の違い
| 項目 | オーストラリア | 日本 |
|---|---|---|
| 入学試験 | 大学ごとの入試なし(現地生は州の統一卒業試験※QLD除く) | 共通テスト+大学ごとの個別入試 |
| 一般教養科目 | Year 11〜12で履修済み。大学では基本なし | 大学1〜2年で履修 |
| 卒業までの年数 | 文系3年/理系4〜6年 | 通常4年 |
| 学期の始まり | 2学期制(前期2月末・後期7月末) | 4月始まり |
| 留学生の入学 | 英語力・学歴で審査(大学によりエッセイ) | ― |
あわせて読みたい: オーストラリアの大学一覧(全40校・学費・ランキング)/ファウンデーションコースとは
評価方法も大きく異なり、期末試験一発ではなく、レポート・プレゼン・グループワーク・小テストなど平常点の比重が大きいのが特徴です。授業は大人数の「レクチャー」と少人数の「チュートリアル」に分かれ、主体的な発言・議論が求められます。総じて入学のハードルは日本より低い一方、進級・卒業の基準は厳格で、”入りやすく出にくい”のがオーストラリアの大学だと言えます。
オーストラリアの大学留学は難しい?

入学のハードルは、日本の大学入試より低いと言えます。入学試験がなく、英語力が足りなくてもファウンデーションや進学英語コースで段階的に準備できるからです。一方で、入ってからが大変です。課題やディスカッションが多く、進級・卒業の基準も厳格なので、毎週の予習と課題に真剣に取り組む必要があります。
1年だけ留学したい場合(交換・休学・認定留学)
日本の大学に在学中で「卒業は日本の大学で、1年だけオーストラリアの大学で学びたい」という人は、学位を取る正規留学のほかに次の2つの方法があります。違いは学費をどこに払うかと単位が認められるかです。
交換留学学費は日本の大学へ
在学中の大学の協定校に通います。学内選考があり枠も限られるため、まずは大学の国際交流窓口でオーストラリアの協定校を確認しましょう。
休学・認定留学(スタディアブロード)協定がなくてもOK
協定校がなくても、オーストラリアの大学の学部授業を1〜2学期履修できます。休学して行くか、単位認定を受けて「認定留学」にするかは在籍大学と相談します。
正規留学(編入)学位を取る
日本の大学で1年以上学んでいれば、ファウンデーションなしで直接入学や編入ができる場合があります。オーストラリアの学位を取りたい人向けです。
※英語力の目安は多くの大学でIELTS 6.0〜6.5程度ですが、大学・学部によって異なります。
費用やプログラムの選び方はオーストラリアの休学留学と学部聴講の留学をご覧ください。
大学院への進学はオーストラリアの大学院留学、大学の世界ランキングはオーストラリアの大学ランキングで解説しています。
よくある質問(オーストラリアの大学留学)
Q. オーストラリアの大学に留学するにはいくらかかりますか?
学費は年A$27,000〜69,000、生活費を含めた1年の総額は約538〜1,140万円が目安です。ファウンデーション1年+学部3年で卒業する場合、学費が安めの大学で約2,524万円、名門8大学(Go8)の文系で約3,498万円が目安です。
Q. オーストラリアの大学に入学するのは難しいですか?
入学試験はなく、高校の成績と英語力で出願するため、入学のハードルは日本の大学入試より低めです。ただし入学後は課題が多く、進級・卒業の基準が厳しいので、卒業するほうが大変です。
Q. 日本の大学に在学しながらオーストラリアに留学できますか?
できます。在学中の大学の協定校に通う交換留学のほか、休学してオーストラリアの大学の授業を1〜2学期履修するスタディアブロード(認定留学)もあります。
Q. オーストラリアの大学は何年で卒業できますか?
文系は通常3年、理系は4〜6年です。日本より1年短いのは、一般教養科目をYear 11〜12(高校)で学び終えているためです。
Q. 学期はいつ始まりますか?長期休暇は?
2学期制で、前期は2月末〜6月末、後期は7月末〜11月末です。長期休暇は冬(6月末〜7月末)と夏(11月末〜2月末)で、南半球のため日本と逆になります。
Q. オーストラリアの大学に入試はありますか?
大学ごとの入学試験はありません。現地生は州の統一卒業試験の結果で出願します。留学生は英語力・学歴で審査され、大学によってはエッセイが必要です。
Q. 日本の高校からオーストラリアの大学に直接入学できますか?
多くの場合、日本の高校卒業資格だけでは直接入学の要件を満たさず、ファウンデーションコース(8〜12ヶ月)を経由して進学するのが一般的です。
Q. 留学生に必要な英語力はどのくらいですか?
学部への直接入学はIELTS6.0〜6.5が目安で、名門校(Go8)は6.5が主流です。ファウンデーションコースは5.5から出願できます。
Q. オーストラリアと日本の大学制度の主な違いは?
大学ごとの入試がない、一般教養を高校で学び終えている、卒業までが1年短い、学期が2月・7月始まりの2学期制、などが主な違いです。
まとめ

オーストラリアの大学は入学試験がなく、高校の成績と英語力で出願できます。日本の高校からはファウンデーション1年+学部3年で進学するのが一般的で、英語力はIELTS 5.5〜6.5、学費は年A$27,000〜69,000が目安です。文系なら3年で学士号が取れる一方、入学後の勉強は厳しいので、ルート選びと英語の準備を早めに始めることが成功のポイントです。進学ルートや費用で迷ったら、日本人カウンセラーに無料で相談できます。
