
オーストラリアへの留学を検討するうえで、物価は大きな関心事です。物価が高い国で知られていますが、都市や生活スタイルによって費用は大きく異なります。本記事では、オーストラリアの主要都市の生活費や物価を比較し、家賃・食費・交通費などの具体的なコストを解説します。現地での節約術も紹介しているので、これからの滞在計画に役立ててください。
目次
1.オーストラリアの物価全体像

オーストラリアは先進国の中でも物価が高い国の一つとして知られています。特に都市部では、住宅費や外食費が高くなる傾向があります。ただし、最低賃金も高いため、現地で働くことでバランスを取ることが可能です。また、州ごとに物価の傾向も異なるため、都市選びが生活コストに大きく影響します。
主要都市別物価の実態
オーストラリアの物価は、地域によって異なります。ここでは、シドニー、メルボルン、パース、ブリスベンといった主要都市の物価事情について、それぞれの都市の生活費の目安を詳しく紹介します。都市選びの参考にしてください。
シドニーの物価と生活費
オーストラリア最大の都市であるシドニーは、国内で最も生活費が高い地域のひとつです。特に家賃が高く、中心部での一人暮らしは月額2,000豪ドルを超えることもあります。一方、公共交通機関は整っており、通勤・通学コストは抑えられます。
項目 | 月額平均費用 |
---|---|
家賃(1LDK・市内中心部) | 2200AUD |
家賃(シェアハウス・郊外) | 900AUD |
食費(自炊中心) | 500AUD |
通信費(携帯+ネット) | 100AUD |
交通費(Opalカード) | 150AUD |
メルボルンの物価と生活費
シドニーに次ぐ大都市メルボルンは、芸術や文化の街としても人気があります。物価はシドニーよりやや低く、郊外を選べば家賃を抑えることが可能です。生活費全体としては、月2,000〜2,500豪ドルが目安となります。
項目 | 月額平均費用 |
---|---|
家賃(1LDK・市内中心部) | 1800AUD |
家賃(シェアハウス・郊外) | 800AUD |
食費(自炊中心) | 450AUD |
通信費(携帯+ネット) | 90AUD |
交通費(Mykiカード) | 140AUD |
パースの物価と生活費
西オーストラリアの都市パースは、自然環境が豊かで生活コストも比較的抑えられます。特に家賃がシドニーやメルボルンよりも安いため、学生や長期滞在者に人気です。物価も全体的に穏やかで、月1,800豪ドル程度で生活可能です。
項目 | 月額平均費用 |
---|---|
家賃(1LDK・市内中心部) | 1500AUD |
家賃(シェアハウス・郊外) | 700AUD |
食費(自炊中心) | 400AUD |
通信費(携帯+ネット) | 85AUD |
交通費(SmartRider) | 130AUD |
ブリスベンの物価と生活費
クイーンズランド州の州都ブリスベンは、温暖な気候と落ち着いた雰囲気が特徴です。生活費は都市の中では中間的で、家賃や食費も比較的リーズナブルです。市内交通が発達しており、通勤・通学も快適です。
項目 | 月額平均費用 |
---|---|
家賃(1LDK・市内中心部) | 1,600AUD |
家賃(シェアハウス・郊外) | 750AUD |
食費(自炊中心) | 420AUD |
通信費(携帯+ネット) | 90AUD |
交通費(Goカード) | 140AUD |
2.食費:外食と自炊のコスト
食費は、生活費の中でも大きな割合を占める項目です。外食を頻繁にすると出費がかさむため、留学生やワーホリ滞在者の多くは自炊を選んでいます。そのため、外食と自炊を上手に使い分けることが節約の鍵です。
外食の価格帯
オーストラリアは日本と比較して、外食の価格帯が高い傾向があります。ファーストフードであっても一食10〜15豪ドル、カジュアルなカフェでは15〜25豪ドル、レストランのコース料理になると50豪ドル以上になることも珍しくありません。
外食は手軽で便利ですが、頻繁に利用すると予算を圧迫します。特別な日以外は自炊を心がけるなど工夫をして、生活費のバランスを保つことを意識しましょう。
スーパーでの買い物費用
シドニーのスーパーマーケットでは、食材や日用品が多くそろっており、価格も店舗やブランドによってさまざまです。
それぞれの食品別で見ると、牛乳1リットルは約2豪ドル、卵12個で3〜4豪ドル、パン1斤は2〜3豪ドルが一般的な価格帯です。週1〜2回のまとめ買いをすることで、無駄な出費を減らすことができます。安売りセールやプライベートブランドを活用するのも節約のポイントです。
3.住居費:シェアハウスとアパートの家賃相場
住まいにかかる費用は生活費の中でも最も大きな割合を占めます。
シドニーでは家賃が高額になる傾向があり、1人暮らし用のアパートは月2,000豪ドル以上になることも珍しくありません。節約のためには、シェアハウスや郊外の物件を選ぶのがおすすめです。
家賃は立地や設備によって大きく異なるため、複数の物件を比較してから決めることが重要です。
シェアハウスの家賃相場
シェアハウスは、週あたり150〜300豪ドルが相場で、月換算すると600〜1,200豪ドル程度です。
物件の立地や築年数、家具の有無によって価格が変動しますが、中心地から離れるほど家賃は安くなる傾向にあります。複数人での共有スペース利用に抵抗がなければ、家賃を大きく抑えられる有効な選択肢となります。
一人暮らしのアパート家賃相場
一人暮らし用のアパートは、立地や設備によって大きく異なりますが、シドニーでは月2,000〜2,800豪ドルが一般的な範囲です。
新築物件や駅近のロケーションは人気が高く、価格も上がる傾向にあります。長期滞在や安定した収入がある場合は、一人暮らしも快適ですが、短期滞在者や節約志向の方にはやや負担が大きいかもしれません。
4.交通費:公共交通機関と自転車の料金
公共交通機関の運賃
Opalカードを使用すると、シドニー市内の交通機関を効率的に利用できます。バスは移動距離によって変わりますが、1回あたり2〜5豪ドル、電車は距離により3〜6豪ドル程度です。週に一定額を超えると割引が適用される制度もあり、通勤や通学に便利です。
日常的に公共交通機関を使う人は、定期的にチャージして利用することで、コストを最適化できます。
タクシーや自転車の料金
シドニーのタクシーは初乗りで3.6豪ドル、その後は距離と時間に応じて加算され、10分程度の乗車で20豪ドル前後が目安です。
一方、自転車は初期投資(購入やレンタル)さえ行えば、維持費はほとんどかかりません。市内には自転車専用レーンも整備されており、エコで健康的な移動手段として人気を集めています。
5.日常生活にかかる費用:光熱費や通信費
日常生活では、家賃以外にも光熱費や通信費などの固定費がかかります。プランを比較して、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
光熱費とインターネット代
シドニーでは電気代が高めで、夏や冬は冷暖房により使用量が増えます。
一般的な1人暮らしであれば、月あたり150〜200豪ドル程度が目安です。インターネット代はプロバイダーによって異なりますが、月60〜100豪ドル程度が主流です。
複数人で利用する場合はコストを分担できるため、費用をおさえたい方は、シェアハウスがおすすめです。
携帯電話の料金とインターネットのプラン
携帯電話の料金は、SIMカード型のプリペイドプランが主流で、月20〜50豪ドル程度で利用できます。
データ通信量に応じて、自分の使用状況に合ったプランを選びましょう。OptusやTelstraなどの大手キャリアが提供しており、SIMフリースマホを活用すれば費用を抑えることも可能です。
また、学生向けの割引プランやインターネットは契約期間によって割引がある場合もあり、1年以上滞在するなら長期契約の方が割安になることがあります。
6.オーストラリアで生活費を抑えるための節約術
オーストラリアでの生活費を抑えるためには、工夫が必要です。シェアハウスの活用や自炊の徹底、セールを活用したまとめ買い、無料の娯楽イベントの活用などが効果的です。加えて、現地でアルバイトをすることで収入を得られるため、出費をカバーしやすくなります。効率的な節約術を実践すれば、快適で経済的な生活が実現できます。
アルバイトをする
オーストラリアでは留学生やワーホリ滞在者でも、条件を満たせばアルバイトが可能です。
例えば学生ビザでも2週間あたり最大48時間働けるため、飲食店や小売店でのアルバイトは貴重な収入源となります。最低賃金が高く、カフェやレストラン、販売業など多くの職種があり、時給は20豪ドル前後が一般的なので、生活費の一部をカバーするのに十分な収入が得られます。
アルバイトを通じて語学力の向上や現地の生活習慣を学ぶこともでき、金銭面だけでなく貴重な経験にもなります。
シェアハウスに住む
シェアハウスは、生活費を大幅に抑える方法のひとつです。住居費の中でも家賃は大きな割合を占めるため、シェアハウスを選ぶことで月に数百ドル単位での節約が可能です。
また、光熱費やインターネット代も分割されるため、固定費全体の圧縮につながります。他の居住者との交流を通じて英語力が向上するなど、文化的なメリットもあります。物件選びの際は、立地や設備、住人の雰囲気を確認すると安心です。
歩くことを基本の移動手段にする
交通費の節約には、徒歩を基本とした移動スタイルが効果的です。近距離の移動ではバスや電車を使わずに歩くことで、交通費を節約できます。
安全な住宅街や自然が多い地域では、徒歩での生活も十分可能です。健康維持にもつながるため、積極的に取り入れてみてください。
7.まとめ:オーストラリアでの生活費を上手に管理するために
オーストラリアでの生活費は都市やライフスタイルによって大きく変わりますが、事前に情報を収集し、自分に合った方法で節約すれば、無理なく快適な生活を送ることができます。
例えば、シェアハウスの活用や自炊、アルバイトなど工夫次第で支出を抑えることが可能です。現地の物価情報を事前に把握し、自分に合った生活スタイルを見つけることで、快適かつ無理のない留学・滞在を実現しましょう。