オーストラリアでのアルバイト事情|探し方・時給・ビザなどを解説


オーストラリアでの留学やワーキングホリデーを検討している方にとって、「現地でアルバイトができるのか」「どのくらい稼げるのか」は大きな関心事ですよね。

オーストラリアは世界的にも最低賃金が高い国として知られており、語学学校に通いながらでも、アルバイトをすることで生活費の多くをまかなえます。また、英語環境で働く経験は、語学力の向上だけでなく、異文化理解や自己成長にもつながるでしょう。

この記事では、オーストラリアでのアルバイトの実情について、時給や雇用形態、仕事の探し方、必要な英語力、ビザの条件まで詳しく解説します。「英語に自信がないけど大丈夫かな」「どうやって仕事を見つければいいの?」といった不安をお持ちの方も、この記事を読めば、自分に合った働き方が見えてくるはずです。

オーストラリアのアルバイト事情


オーストラリアのアルバイト市場は、留学生やワーキングホリデーメーカーにとって比較的開かれています。まずは、基本的な労働条件について理解しておきましょう。

最低時給

2025年7月時点での全国最低賃金は、時給24.95豪ドル(約2,480円)です。ただし、これは成人の正社員の基準であり、カジュアル雇用の場合は福利厚生がない代わりに25%の割増賃金が適用されるため、実質的にはさらに高くなります。

職種や経験、年齢によっても時給が変動するので、下記の表で一般的な時給の目安をご確認ください。

雇用形態時給の目安特徴
カジュアル(未経験)25〜28豪ドルもっとも一般的な雇用形態
カジュアル(経験者)28〜35豪ドルスキルや経験に応じて上昇
週末・祝日勤務35〜50豪ドル以上割増賃金が適用される

1ヶ月の生活費をまかなうために必要な労働時間

オーストラリアでの留学生の平均的な生活費は、月1,500〜2,500豪ドル程度。時給25豪ドルで働く場合、月に必要な労働時間は、以下のとおりです。

月の生活費必要労働時間備考
1,500豪ドル60時間(週15時間)節約型の生活
2,000豪ドル80時間(週20時間)標準的な生活
2,500豪ドル100時間(週25時間)やや余裕のある生活

学生ビザでは、授業がある期間でも2週間で48時間(実質週24時間)まで働けるため、節約を心がければアルバイト収入だけで生活費の大部分をカバーできるでしょう。ワーキングホリデービザの場合は労働時間の制限がないため、さらに柔軟に働くことができます。

雇用形態

オーストラリアの雇用形態は、主に3つに分類されます。

雇用形態特徴メリットデメリット
カジュアル(Casual)シフト制、時給に25%の割増柔軟なシフト、高時給雇用保障、有給休暇などの福利厚生なし
パートタイム(Part-time)定期的な勤務時間が決まっている雇用安定、有給休暇ありシフトの柔軟性が低い
フルタイム(Full-time)週38時間の正規雇用もっとも安定、福利厚生充実留学生には現実的でない

留学生やワーホリメーカーの多くは、カジュアル雇用として働くことになるでしょう。カジュアル雇用は不安定に思えるかもしれませんが、先述のとおり25%の割増賃金があるため実質的な収入は高いです。また、学業との両立や旅行の予定を組みやすいという点で、留学生に適した働き方と言えます。

未経験でも雇ってもらえる?

結論から言えば、未経験でも雇ってもらえる仕事は十分にあるでしょう。特に人手不足が続いている業界では、未経験者でも積極的に採用しています。

レベル職種シドニーでの時給の目安備考
未経験でも採用されやすいキッチンハンド(調理補助)22~30豪ドル特別なスキル不要、トレーニングが簡単
皿洗い
清掃24〜30豪ドル
多少の経験があると有利バリスタ30〜33豪ドル接客スキルや基本的な英語力が必要
販売30〜35豪ドル
ウェイター34〜35豪ドル
経験・スキルが重視されるホテルレセプション(受付)30〜40豪ドル高い英語力や専門知識が求められる
ツアーガイド40〜50豪ドル

未経験からスタートする場合は、まずハードルの低い仕事で経験を積み、徐々にステップアップしていく戦略が効果的でしょう。最初はキッチンハンドとして働き始め、英語力が向上したらウェイターに挑戦するといったキャリアパスも一般的です。

アルバイトに必要な英語力


「英語ができないと仕事は見つからない」と不安に感じている方も多いかもしれません。実際には、職種によって必要な英語力は大きく異なります。

英語不要のアルバイトはある?

完全に英語不要というわけではありませんが、最低限の英語力でも働ける仕事は存在します。

英語力レベル該当する職種必要なコミュニケーション
初級(日常会話レベル以下)・清掃
・工場作業
・農場作業
・皿洗い
指示を理解する
初中級(簡単な会話が可能)・キッチンハンド
・日本食レストランのホール
基本的な受け答え
中級以上(日常会話が流暢)・カフェ
・ローカルレストラン
・販売
お客様との自然な会話
上級(ビジネスレベル)・ツアーガイド
・オフィスワーク
・レセプション
複雑な説明や交渉

日本食レストランや日系企業では日本語が主要言語となるため、英語力が不十分でも採用される可能性が高くなります。ただし、給与面ではローカルの職場より低めに設定されていることもあるので注意しましょう。

英語力に不安がある場合はどうする?

英語力に自信がない場合でも、工夫次第で仕事を見つけることはできます。以下の2つのアプローチが効果的です。

アプローチ1:語学学校に通いながらアルバイトをする

語学学校で英語力を向上させながら、同時にアルバイトを探すという方法です。

タイミングおすすめの働き方期待できる効果
渡航直後(1〜2ヶ月目)語学学校に集中、週末のみ簡単な仕事英語の基礎固め、環境に慣れる
中期(3〜4ヶ月目)英語不要の仕事から開始収入確保、職場英語に慣れる
後期(5ヶ月目以降)より英語を使う仕事にチャレンジ実践的な英語力向上

語学学校では履歴書の書き方や面接対策をサポートしてくれることも多いため、積極的に活用しましょう。

アプローチ2:英語を話す必要のない仕事から始める

清掃や工場作業など、コミュニケーションが最小限で済む仕事からスタートする方法です。このアプローチのメリットは、英語のプレッシャーが少ないうえに、確実に収入を得られる点。また、仕事に慣れる時間が取れることも嬉しいですね。

ただし、英語力向上の機会が限られることや、時給が平均的かやや低めであることは注意しましょう。この方法を選ぶ場合でも、仕事以外の時間で英語学習を続け、数ヶ月後にはより英語を使う仕事にチャレンジすることをおすすめします。

オーストラリアでのアルバイトの探し方


仕事の探し方は大きく5つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。

日系サイト

日本語で求人情報を探せるウェブサイトです。オーストラリアには日系のコミュニティサイトがいくつか存在します。

日系サイトは、特に渡航直後や英語に自信がない時期に活用すると良いでしょう。ただし、最終的にはローカルの仕事にもチャレンジすることで、より高い時給と英語環境を得られる可能性が広がります。

メリット

・日本語で応募できる安心感
・日本人経営者との面接でコミュニケーションが取りやすい
・未経験・英語不問の求人が多い
・日本人コミュニティの情報が得られる

デメリット

・ローカルの仕事は少なめ
・時給がローカルより低い場合がある
・競争率が高い
・英語環境を求める人には不向き

ローカルサイト

オーストラリア現地の求人サイトです。英語での応募が必要ですが、選択肢は格段に広がります。

求人の傾向適している人
大手求人サイト幅広い職種、正式な雇用が多い中級以上の英語力がある人
地域密着型サイトカジュアルな仕事が中心特定のエリアで探している人
業界特化型サイトホスピタリティなど特定業界経験やスキルを活かしたい人

ローカルサイトで応募する際は、英文履歴書(Resume)とカバーレター(Cover Letter)の準備が必要です。カバーレターとは、自己PRの手紙のこと。日本で言う、志願動機書や添え状に近いものです。これらの書類の作成に不安がある方は、留学エージェントのサポートを受けることをおすすめします。

友人・知人からの紹介

実はもっとも効率的で成功率が高い方法のひとつが、人からの紹介です。

友人や知人のネットワークを作るには、語学学校のクラスメイト、シェアハウスの住人、ボランティア活動などを通じて積極的に交流しましょう。「仕事を探している」と周囲に伝えておくだけでも、思わぬチャンスにつながることがあります。

メリット

・面接のハードルが下がる
・職場の雰囲気が事前にわかる
・信頼関係からスタートできる
・非公開の求人にアクセスできる

具体的な効果

・推薦があるため採用されやすい
・ミスマッチを避けられる
・初日から安心して働ける
・競争相手が少ない

飛び込み応募

履歴書を直接お店に持っていく、いわゆる「飛び込み」の方法です。オーストラリアでは一般的なアプローチとして認識されています。特にカフェ、レストラン、ショップなどのホスピタリティ業界で効果的です。断られることも多いですが、数をこなすことで確率は上がります。

飛び込み応募を行う際は、第一印象が重要です。身だしなみをきちんと整え、ランチやディナーのピークタイムは避けるようにしましょう。

お店に入ったら、”Hi, I’m looking for a part-time position. May I leave my resume with you?”(こんにちは、パートタイムを探しています。履歴書をお渡ししてもよろしいですか?)など、簡潔に要件を伝えます。

複数店舗回る際は、履歴書を複数枚用意しましょう。繁華街やショッピングエリアは求人を出している店が多いため、効率的に回れます。

留学エージェントに相談

留学エージェントは、仕事探しのサポートも行っています。特に渡航前や現地到着直後は、プロのアドバイスが心強い味方になるでしょう。

エージェントのサポート内容得られるメリット
履歴書・カバーレターの添削プロによる質の高い応募書類
面接対策のアドバイス自信を持って面接に臨める
現地の雇用状況の情報提供リアルタイムな求人トレンドがわかる
仕事探しの戦略立案自分に合った探し方が見つかる

LALALAでは、留学前の準備から現地での生活サポートまで、包括的なサービスを提供しています。仕事探しについても経験豊富なカウンセラーが親身になってサポートするので、不安な点があればお気軽にご相談ください。

留学中やワーホリでできるアルバイト例


ここでは、留学生やワーホリメーカーに人気の職種について、平均賃金や必要な英語力を含めて詳しく解説します。

レストラン・カフェ

もっとも一般的で求人数も多い職種です。ポジションによって必要なスキルや英語力が異なります。

ポジションシドニーでの平均時給必要な英語力仕事内容
キッチンハンド22〜30豪ドル初級食材の準備、皿洗い、清掃
皿洗い22〜30豪ドル初級食器洗浄、キッチン清掃
ウェイター/ウェイトレス34〜35豪ドル中級注文受け、配膳、接客
バリスタ30〜33豪ドル中級〜上級コーヒー作り、接客

レストランやカフェの仕事は、職場によって環境が大きく異なります。日本食レストランなら英語力が低くても採用されやすい一方、ローカルのカフェでは高い英語力が求められますが、英語力向上には最適な環境です。

また、バリスタの資格を取得すると就職に有利になります。オーストラリアではコーヒー文化が発達しており、バリスタスキルは高く評価されるでしょう。

観光地のお土産屋

観光客が多いエリアのお土産ショップも、人気の仕事先です。

ポジションシドニーでの平均時給必要な英語力仕事内容
販売スタッフ25豪ドル中級接客、レジ対応、商品陳列
ストックスタッフ20豪ドル初中級在庫管理、商品補充

観光地の仕事は季節性があり、ハイシーズン(11月〜2月のオーストラリアの夏)には求人が増える傾向にあります。また、さまざまな国からの観光客と接するため、異文化交流の機会も豊富です。

ツアーガイド

高い英語力が必要ですが、やりがいも大きい仕事です。

ポジションシドニーでの平均時給必要な英語力仕事内容
日本語ガイド30〜50豪ドル中級(日本語力重視)日本人観光客の案内
英語ガイド40〜50豪ドル上級英語での観光案内、説明
アクティビティインストラクター30〜40豪ドル中上級ダイビング、サーフィンなどの指導

ツアーガイドは観光の知識だけでなく、人を楽しませるコミュニケーション能力も求められます。特定の資格(ダイビングインストラクターなど)を持っている場合は、さらに高い時給が期待できるでしょう。

レセプショニスト

ホステルやホテル、オフィスの受付業務です。

職場シドニーでの平均時給必要な英語力仕事内容
ホステル26〜30豪ドル中級チェックイン/アウト、予約管理、問い合わせ対応
ホテル30〜40豪ドル上級フロント業務、顧客対応、予約システム管理
オフィス30〜38豪ドル上級来客対応、電話応対、事務サポート

レセプショニストは顔となるポジションであり、明るい人柄と丁寧なコミュニケーションが重視されます。夜勤シフトがある場合は割増賃金が適用されるため、さらに高収入を得られるでしょう。

清掃業

英語力に自信がない方でも始めやすい仕事です。

職場シドニーでの平均時給必要な英語力仕事内容
ホテル清掃28豪ドル初級客室清掃、ベッドメイキング
オフィス清掃32豪ドル初級オフィスビルの清掃
ハウスキーピング33豪ドル初中級個人宅の清掃、整理整頓

清掃業は早朝や深夜のシフトが多く、割増賃金が適用されるため、効率よく稼げます。また、仕事中はひとりで黙々と作業することがほとんどで、英語でのコミュニケーションのプレッシャーが少ない点もメリットです。

アルバイト先を見つけるためのポイント


仕事探しを成功させるために押さえておくべき重要なポイントを3つご紹介します。

英語力を高めておく

英語力は、仕事の選択肢を大きく広げるもっとも重要な要素です。

英語学習の方法効果おすすめのタイミング
渡航前のオンライン英会話基礎的な会話力の向上渡航3〜6ヶ月前から
語学学校での集中学習体系的な英語力向上渡航直後の1〜3ヶ月
職場での実践練習実用的な英語力の習得仕事開始後
英語環境での交流自然な会話力の向上常時

特に接客英語のフレーズ(注文の取り方、お会計の仕方など)を事前に学んでおくと、面接や初日の仕事で大きな自信につながります。YouTubeには接客英語を学べる動画も豊富にありますので、活用してみてください。

現地で知り合いを増やす

人脈は仕事探しにおける最強のツールです。

人脈作りの場得られるメリット具体的なアクション
語学学校同じ状況の仲間との情報共有クラスメートと積極的に交流する
シェアハウス多国籍な友人、求人情報共有スペースでコミュニケーションを取る
ミートアップイベント幅広いネットワーク興味のある分野のイベントに参加する
ボランティア活動地域コミュニティとのつながり定期的に参加して顔を覚えてもらう
すでに働いている友人の職場直接的な求人情報、紹介「仕事を探している」と明確に伝える

オーストラリアは「誰を知っているか」が重要視される文化です。面識のある人からの推薦は、見知らぬ人の応募よりもはるかに信頼されます。

休日や深夜帯も条件に含める

働く時間帯の柔軟性は、採用率を大きく左右します。

勤務時間帯時給の違い競争率
平日昼間通常時給高い
平日夜間1.25〜1.5倍中程度
土曜日1.5倍中程度
日曜日1.75〜2倍低い
祝日2〜2.5倍低い

週末や深夜帯は割増賃金が適用されるため、効率よく稼げるでしょう。また、これらの時間帯は人手不足になりやすく、採用されやすいというメリットもあります。

学生ビザで働く場合、授業がある期間は2週間で48時間という制限があるため、高時給の時間帯を選ぶことで少ない労働時間でも十分な収入を得やすいです。

オーストラリアでアルバイトをするのに必要なビザ


オーストラリアで合法的に働くためには、就労が認められたビザが必要です。主なビザの種類と労働条件を理解しておきましょう。

ビザの種類労働時間の制限滞在期間特徴
学生ビザ2週間で48時間まで(学期中)、学校休暇中は制限なしコース期間+α学業が主目的、働けるのは付随的な権利
ワーキングホリデービザ制限なし(ただし同一雇用主のもとで最長6ヶ月)最長12ヶ月(条件により最長3年)働くことが主目的のひとつ
観光ビザ就労不可最長12ヶ月働くことは一切認められない

学生ビザの注意点

学生ビザで働く場合、「2週間で48時間」という制限があります。これは週24時間相当ですが、2週間単位で計算されるため、たとえば1週目に30時間、2週目に18時間という働き方も可能です。

学校の休暇期間(学期間の休み、夏休みなど)は労働時間の制限がなくなるため、フルタイムで働くことができます。この期間を利用して、集中的に稼ぐ学生も多くいます。

ワーキングホリデービザの注意点

ワーキングホリデービザは労働時間に制限がないため、フルタイムで働くことも可能です。ただし、同じ雇用主のもとでは最長6ヶ月までしか働けないというルールがあります。

特定の地域で農業などの季節労働に従事すると、セカンドワーキングホリデービザ(2年目)の申請資格が得られ、さらに条件を満たせばサードビザ(3年目)の取得も可能です。

タックスファイルナンバー(TFN)の取得

どのビザであっても、オーストラリアで働くためにはタックスファイルナンバー(納税者番号)の取得が必須です。これはオーストラリア税務署(ATO)のウェブサイトから無料で申請でき、通常1〜2週間で発行されます。雇用主はTFNがないと給与を支払えないため、渡航後早めに申請手続きを行いましょう。

まとめ:LALALAで留学を成功させよう

オーストラリアでのアルバイトは、生活費を補うだけでなく、英語力の向上や異文化理解、キャリア形成にもつながる貴重な経験です。英語力や経験に応じてさまざまな仕事の選択肢があり、適切な準備と戦略を持って臨めば、必ず自分に合った仕事を見つけられるでしょう。

LALALAでは、ビザの取得から語学学校の選択、現地での仕事探しのアドバイスまで、経験豊富なカウンセラーが一人ひとりの状況に合わせて最適なプランをご提案します。履歴書の書き方や面接対策、現地の最新雇用状況など、リアルタイムな情報を基にしたサポートが可能です。

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