オーストラリアの大学制度は、各州の教育委員会・連邦政府・大学理事会によって厳格に管理されており、国全体で質の高い大学教育が提供されています。日本と大きく異なるのは「大学ごとの入学試験がない」点です。このページでは、教育制度の全体像・入試・学期・卒業年数・日本との違いまでを体系的に解説します。

📅 最終更新日:2026年7月
結論:オーストラリアの大学制度とは
オーストラリアの大学制度はイギリスをモデルにした3年制(文系)が基本で、入学試験はなく高校の成績(ATAR)や英語力で出願します。日本の高校卒業生は多くの場合ファウンデーションコースを経由して進学。学位はAQF(国の共通枠組み)で管理され、TAFEからの単位認定など進学ルートが豊富なのも特徴です。
この記事のポイント
- 教育制度はイギリス型。学士は文系3年・理系4〜6年
- 入学試験はなく、ATAR(高校成績)や英語力で出願
- 日本の高校卒は主にファウンデーションコース経由で進学
- 学位はAQFで10段階に管理(TAFEからの単位認定も可)
- 入りやすく出にくい――進級・卒業の基準は厳格
オーストラリアの教育制度の全体像
オーストラリアの教育制度はイギリスの制度をお手本に作られており、初等・中等・高等教育が体系的に整えられています。日本の学年との対応は次のとおりです。
| 日本の学年 | オーストラリア | 教育課程 |
|---|---|---|
| 小学1〜6年 | Year 1〜6 | 初等教育(義務教育) |
| 中学1〜3年 | Year 7〜9 | 前期中等教育(義務教育) |
| 高校1〜3年 | Year 10〜12 | 後期中等教育(Year 12で各州の統一卒業試験) |
大学・大学院の学位は次のように区分されます。
| 学位 | 日本での相当 |
|---|---|
| Bachelor Degree | 学士号 |
| Honours/Graduate Certificate/Graduate Diploma | 学士(優等)・大学院準備課程 |
| Masters Degree | 修士号 |
| Doctoral Degree | 博士号 |
オーストラリアの学位・資格は「AQF(Australian Qualifications Framework)」という国の共通枠組みで10段階にレベル分けされており、Certificate(VET・TAFE)からBachelor(レベル7)、Master(レベル9)、Doctoral(レベル10)まで一貫した基準で管理されています。そのためTAFE(職業訓練校)で取得した単位を大学に持ち込む「単位認定」もしやすく、進学ルートの選択肢が豊富なのが特徴です。
大学の入学制度と留学生の進学ステップ
オーストラリアには日本のような大学ごとの入学試験はありません。現地の高校生は州ごとの統一卒業試験を受け、その結果をもとに志望大学へ出願します(各州の成績は全国共通の大学進学指標ATARに換算されます。かつて独自のOP制度だったクイーンズランド州も、2020年からATARに統一されました)。試験科目に細かい規定はなく、得意科目を選択して受験できます。
日本の高校を卒業して進学する留学生は、この統一試験ではなく各大学の留学生受け入れ制度に沿って出願します。求められるのは主に英語力と学歴で、大学によってはエッセイの提出を求められることもあります。日本の高校卒からの直接入学は要件を満たさない場合が多く、ファウンデーションコースを経由するのが一般的です。
留学生がオーストラリアの大学に入学するまでの流れ
- 志望大学(または語学学校・進学カレッジ)の決定と入学条件の確認
- 申請に必要な書類の準備
- 学校へ願書を提出
- 学費の支払い
- ビザ申請に必要な書類の準備
- 学生ビザの取得
- 入国・入学
日本の高校卒業生が進学する主なルートは3つです。①ファウンデーションコース経由(最も一般的)、②ディプロマ/進学カレッジ経由(大学2年次に編入できる場合あり)、③直接入学(高校の成績・英語力が高い場合)。いずれもIELTS6.0〜6.5前後の英語力が目安で、学部により求められる基準は異なります。まずは志望大学の入学条件を確認し、逆算して準備を始めるのが成功のポイントです。
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学期・休暇カレンダー
オーストラリアの大学は基本的に2学期制です。南半球に位置するため季節が日本と逆になり、長期休暇の名称も逆になります。多くの留学生はこの長期休暇にアルバイトをして学費をまかないます。
| 区分 | 期間 |
|---|---|
| 前期(1学期) | 2月末〜6月末 |
| 後期(2学期) | 7月末〜11月末 |
| ウィンターホリデー(冬休み) | 6月末〜7月末 |
| サマーホリデー(夏休み) | 11月末〜2月末 |
※ 学期・休暇の時期は州や大学によって多少前後します。
なお一部の大学(ボンド大学など)は年3学期の「トリメスター制」を採用しており、通常より短期間で卒業できる場合もあります。入学時期は2月(メイン)と7月の年2回が基本で、コースによっては前期・後期どちらからでも開始できます。渡豪・住居探し・オリエンテーションの期間も見込み、開始の1〜2か月前には現地入りするのが安心です。
卒業までの年数と学位
オーストラリアの大学は、文系で通常3年、理系で4〜6年で卒業できるように制度が組まれています。日本より1年短いのは、日本の大学1〜2年で学ぶ一般教養科目を、オーストラリアではYear 11〜12(日本の高校2〜3年に相当)で履修済みのためです。そのため日本の高校から直接進学する場合は、一般教養を補うファウンデーションコースの受講が一般的です。
3年制の学士課程に加え、成績優秀者が1年間研究に取り組む「Honours(優等学士)」や、医学・法学・工学など専門性の高い分野では4〜6年かかる課程もあります。大学院は修士1〜2年、博士3〜4年が目安で、Bachelor→Master→PhDと段階的に進むのが一般的です。学部で学んだ分野と異なる領域へ大学院で進む「専攻変更」も比較的柔軟に行えます。
日本の大学との制度の違い
| 項目 | オーストラリア | 日本 |
|---|---|---|
| 入学試験 | 大学ごとの入試なし(現地生は州の統一卒業試験※QLD除く) | 共通テスト+大学ごとの個別入試 |
| 一般教養科目 | Year 11〜12で履修済み。大学では基本なし | 大学1〜2年で履修 |
| 卒業までの年数 | 文系3年/理系4〜6年 | 通常4年 |
| 学期の始まり | 2学期制(前期2月末・後期7月末) | 4月始まり |
| 留学生の入学 | 英語力・学歴で審査(大学によりエッセイ) | ― |
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評価方法も大きく異なり、期末試験一発ではなく、レポート・プレゼン・グループワーク・小テストなど平常点の比重が大きいのが特徴です。授業は大人数の「レクチャー」と少人数の「チュートリアル」に分かれ、主体的な発言・議論が求められます。総じて入学のハードルは日本より低い一方、進級・卒業の基準は厳格で、”入りやすく出にくい”のがオーストラリアの大学だと言えます。
よくある質問(オーストラリアの大学制度)
Q. オーストラリアの大学は何年で卒業できますか?
A. 文系は通常3年、理系は4〜6年です。日本より1年短いのは、一般教養科目をYear 11〜12(高校)で学び終えているためです。
Q. 学期はいつ始まりますか?長期休暇は?
A. 2学期制で、前期は2月末〜6月末、後期は7月末〜11月末です。長期休暇は冬(6月末〜7月末)と夏(11月末〜2月末)で、南半球のため日本と逆になります。
Q. オーストラリアの大学に入試はありますか?
A. 大学ごとの入学試験はありません。現地生は州の統一卒業試験の結果で出願します。留学生は英語力・学歴で審査され、大学によってはエッセイが必要です。
Q. 日本の高校からオーストラリアの大学に直接入学できますか?
A. 多くの場合、日本の高校卒業資格だけでは直接入学の要件を満たさず、ファウンデーションコース(8〜12ヶ月)を経由して進学するのが一般的です。
Q. 留学生に必要な英語力はどのくらいですか?
A. 学部への直接入学はIELTS6.0〜6.5が目安で、名門校(Go8)は6.5が主流です。ファウンデーションコースは5.5から出願できます。
Q. オーストラリアと日本の大学制度の主な違いは?
A. 大学ごとの入試がない、一般教養を高校で学び終えている、卒業までが1年短い、学期が2月・7月始まりの2学期制、などが主な違いです。
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まとめ
オーストラリアの大学制度は、大学ごとの入試がなく、一般教養を高校で学び終える設計のため、文系なら3年で卒業できるのが特徴です。日本の高校から進学する場合はファウンデーションコースなどの進学ルートを理解しておくことが大切です。制度や進学ルートで迷ったら、日本人カウンセラーに無料で相談できます。


