オーストラリアに大学進学!ファウンデーションコースとは!?

オーストラリアの大学留学を目指すなら、日本の高校を卒業したあと、オーストラリア現地で「ファウンデーションコース」という大学進学準備コースを履修しなければなりません。

 

ファウンデーションコースでは、オーストラリアの大学に進学するために最低限必要となる知識やスキルを学ぶことができます。この記事では、オーストラリアのファウンデーションコースの概要や、入学条件や学費などをご紹介していきます。

ファウンデーションコースとは?

オーストラリア現地の有名大学への進学を目指している方であれば、一度は「ファウンデーションコース(またはファウンデーションコース)」という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

ファウンデーションを一言で表すなら「オーストラリアの大学進学のための準備コース」です。外国人留学生向けに開講されているコースであり、オーストラリアでの大学生活に必要となる知識やスキルを学ぶことができます。

 

日本で大学進学というと「入試」のイメージが強いかと思いますが、オーストラリアの大学には入試というものがありません。そのため、外国人がオーストラリアの大学に入学するためには日本の普通高校を卒業後、このファウンデーションコースを履修しなければならないのです。

 

後ほどご説明しますが、ディプロマを履修した後で大学進学できる大学もありますが、難関大学ではディプロマを認めていないことも多く、ファウンデーションコースを履修することになります。

 

ファウンデーションコースの受講期間はおよそ半年から1年で、規定の成績を修めることによってオーストラリアの大学入学が認められるというシステムとなっています。

ファウンデーションコースはなぜ必要?

オーストラリアのファウンデーションコースで学ぶことができるのは「アカデミック英語」「レポートやエッセイの書き方」「プレゼンテーションのやり方」などの知識やスキルです。

 

これらはいわゆる「一般教養」と呼ばれるものですが、オーストラリアの高校と日本の高校では教育制度が異なっておりオーストラリア人は高校生の時点ですでにこのような一般教養を学んでいます。これらは大学生活に欠かすことができない知識とスキルであるため、外国人留学生はこのファウンデーションコースを受講する必要があるわけです。

 

「レポートの書き方」や「プレゼンテーションのやり方」はイメージがつく方も多いかと思いますが、「アカデミック英語」についてはよく知らない方も多いかもしれません。

アカデミック英語とは?

アカデミック英語(Academic English)というのは「学問的な英語」のこと。オーストラリアを含む英語圏の大学では、文献を読んでレポートを書いたり、学生同士で討論を行ったりと、学問的な英語を使う場面が非常に多いです。

 

一般的によく聞く「日常会話」や「ビジネス会話」とも区別されている「アカデミック英語」は、オーストラリア現地の大学に通うためには必要不可欠なスキルなのです。

 

アカデミック英語は、大学生活で必要とされている英語という意味から「カレッジ・イングリッシュ(College English)」とも呼ばれています。

ファウンデーションコースの入学条件

Point

英語力:IELTS5.5以上

GPA:2.5以上

オーストラリアのファウンデーションコースの入学条件についてですが、オーストラリアの大学進学同様、ファウンデーションコースを入学加するのにも入試は設けられていません。しかし、だからといって誰でも入学することができるわけではなく、その人の英語力と最終学歴(日本の高校)での成績で合格ラインをクリアする必要があります。

 

英語力の合格ラインは一般的に、IELTSであれば5.5から6.0以上TOEFL iBTであれば70から78以上とされています。ただし、大学によって多少異なる場合があり、また大学によってはIELTSのスコアのみを受け付けているところもあります。

 

高校の成績は、5段階評価のうち2.5から4以上、つまり50%から80%以上の成績を修めていなければなりません。大学によっては、高校卒業を条件とせず「高校2年次以上を修了」を条件としているところもあります。

 

オーストラリアのファウンデーションコースへの入学を希望していても、英語力が合格ラインを満たせていないという方もいるかもしれません。そういった方のため、各大学で開講されている付属英語コースや、各大学が提携している語学学校のアカデミック英語コースを修了することで、ファウンデーションコースへの入学が認められる場合もあります。

 

各大学の入学条件にてついては以下よりご相談ください。

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ファウンデーションコースの履修科目

オーストラリアのファウンデーションコースは、大学と同じように、必修科目と選択科目から構成されています。

 

必修科目では、アカデミック英語などの応用英語、レポートやエッセイの書き方、プレゼンテーションのやり方のほか、講義の受け方やノートの取り方、コンピューターのスキル、オーストラリアの文化まで、さまざまな知識やスキルを学ぶことができます。

 

選択科目は、ITやエンジニアリング、科学、商業、経済、メディア、アートに音楽まで、多彩な科目が揃えられています。興味がある科目をなんでも選んでいいというわけではなく、進学を考えている学部と関連した科目を履修しなければなりません

ファウンデーションコースの学費

オーストラリアのファウンデーションコースへの入学を検討する上で、気になることの一つが学費ではないかと思います。ファウンデーションコースの学費は、大学やコース内容によっても異なりますが、1年間スタンダードなコースを履修すると仮定した場合、日本円にして平均約200万円から250万円ほどとなっています。

 

学費以外の生活費やオーストラリアの物価については以下をご覧ください。

オーストラリア留学にかかる生活費とオーストラリアの物価

「ファウンデーションコース」と「ディプロマコース」の違い

項目ファウンデーションディプロマ
英語力IELTS5.5点程度IELTS5.5点程度
高校の成績GPA2.5程度GPA2.5程度
期間半年から1年1年
単位認定認定される認定されない場合も
履修科目幅広い選択科目あり多くがITかビジネスに限定
大学進学必ず進学可能成績上位でないと進学できない場合も

オーストラリアのファウンデーションコースについて調べていると「ディプロマコース」という名前をよく目にします。ディプロマコースも、オーストラリアの大学に進学するための準備コースという点でいえば、ファウンデーションコースと共通していますが、ファウンデーションコースとは大きく異なる点もあります。

 

ファウンデーションコースを修了した場合は、進学を希望する大学へ1年次から入学することができるのに対し、ディプロマコースを修了した場合、大学によっては単位が認められるため、該当大学の2年次への編入が可能となるのです。

 

コースのコース自体は、ファウンデーションコースよりもディプロマコースの方が長いですが、大学卒業までの期間はディプロマコースを修了した場合の方が短くなっています。

ディプロマコースのデメリット

ディプロマコースへの入学条件の英語力は、ファウンデーションコースと同様に、IELTSのスコアが5.5から6.0以上。条件も変わらないため一見とても魅力的に見えますが、実はオーストラリアの有名大学のほとんどが、ディプロマコースの単位を認定しておらず、ファウンデーションコースの履修を勧めています。

 

また、ディプロマコースでは科目も限定されており、その多くがITコースやビジネスコースです。ほかに進学したい学部がある方や、有名大学への進学を希望されている方は、ディプロマコースではなくファウンデーションコースを履修する方がよいでしょう。

ファウンデーションコースの選び方

オーストラリアのファウンデーションコースは、各大学ごとに独自に構成されているコースです。そのため、同じファウンデーションコースといっても、他大学との互換性がありません

 

つまり、ある大学のファウンデーションコースを修了したからといって、それがほかの大学で認められるかといえば、そうとは限らないのです。このことから、オーストラリアのファウンデーションコースは慎重に選ぶ必要があるといえます。

 

まずは、オーストラリアの大学に進学して何を学びたいのか、つまり「専攻」を絞らなければなりません。どこの大学の何の学部に進学するかまで、よく考えた上で決めましょう。

 

選び方としては、第一に自分が将来どんな仕事をしたいのかを考えることです。その次に、その職業に就くためにはどんな知識が必要なのかを考え、専門分野(専攻)を絞ります。自分が専攻すべき学部が決まったら、それからその学部がある大学を調べるという流れです。

 

大学の選び方については弊社でもカウンセリングしております。

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グループ・オブ・エイトだと他大学にも進学可能

各大学で実施されているファウンデーションコース間に互換性がないというお話をしましたが「グループ・オブ・エイト(Group of 8)」と呼ばれる8大学のファウンデーションコースを修了した場合には、該当大学以外にもオーストラリアのほとんどの大学で認知されており、入学が認められています

 

逆に、グループ・オブ・エイト以外の大学のファウンデーションコースを修了した場合は、よほど優秀な成績を修めるなどしない限り、グループ・オブ・エイトへの入学は難しいと考えておいたほうがよいでしょう。

 

ちなみに「グループ・オブ・エイト(Group of 8)」というのは、世界大学ランキングでも常に上位に名を連ねているオーストラリア国内トップレベルの名門大学のことです。

 

グループ・オブ・エイトに属しているのは、ニューサウスウェールズ大学、シドニー大学、クイーンズランド大学、メルボルン大学、西オーストラリア大学、モナッシュ大学、アデレード大学、オーストラリア国立大学の8校です。

 

グループ・オブ・エイトについての詳細は以下の記事をご確認ください。

オーストラリアの大学ランキング。グループ・オブ・エイトとは?

ファウンデーションコースから大学進学までの流れ


日本の大学というと4年制ですが、オーストラリアの大学は基本的に3年制となっています(医療系の学部などでは異なることもある)。

 

ファウンデーションコースの履修期間が約1年間であるため、日本の高校を卒業後、オーストラリアの大学を卒業するまでにかかる期間は約4年間ということになります。ざっくりとした流れは以下の通りです。

 

まず、3月に日本の高校を卒業したあと、同年の12月までファウンデーションコースを履修します。そして翌年の1月に大学に入学し、3年間通うことになります。

 

英語力が不足している場合、ファウンデーションコースに入学する前にファウンデーションコース付属の英語コースに通うこともできます。英語コースに入学するタイミングは、日本の高校卒業後の4月から12月の間です。

 

その人の英語力により、英語学習期間を長く取る必要がある場合もあれば、短期間で終わらせることができる場合もあります。ファウンデーションコースに入学する前に英語コースに通う場合は、日本の高校卒業後すぐにファウンデーションコースを履修した人に比べ、大学への入学が1年遅くなるということになります。

ファウンデーションコースを実施している大学

地域大学
ニューサウスウェールズ州ニューサウスウェールズ大学、ニューカッスル大学、シドニー大学、シドニー工科大学、西シドニー大学、ウーロンゴン大学
クイーンズランド州グリフィス大学、ジェームスクック大学、クイーンズランド工科大学、クイーンズランド大学、サザンクイーンズランド大学
ビクトリア州ディーキン大学、ラ・トローブ大学、モナッシュ大学、ロイヤルメルボルン工科大学
西オーストラリア州カーティン大学、エディスコーワン大学
南オーストラリア州フリンダース大学、アデレード大学
首都特別地域オーストラリア国立大学
タスマニア州タスマニア大学
ノーザンテリトリーチャールズ・ダーウィン大学

オーストラリア国内で、ファウンデーションコースを実施している大学は以下の通りです。地域別にご紹介していきます。

まずは、ニューサウスウェールズ州(NSW)。ニューサウスウェールズ州には11校の大学がありますが、そのうち「ニューサウスウェールズ大学(UNSW)」「ニューカッスル大学(UoN)」「シドニー大学」「シドニー工科大学(UTS)」「西シドニー大学(UWS)」「ウーロンゴン大学(UOW)」の6校がファウンデーションコースを実施しています。

 

次に、クイーンズランド州(QLD)。クイーンズランド州には8校の大学があり、そのうち「グリフィス大学」「ジェームスクック大学(JCU)」「クイーンズランド工科大学(QUT)」「クイーンズランド大学(UQ)」「サザンクイーンズランド大学(USQ)」の5校にて実施。

 

8校の大学があるビクトリア州(VIC)では「ディーキン大学」「ラ・トローブ大学」「モナッシュ大学」「ロイヤルメルボルン工科大学」の4校にて、西オーストラリア州(WA)では、5校ある大学のうち「カーティン大学」「エディスコーワン大学(ECU)」の2校にて、南オーストラリア州(SA)では3校ある大学のうち「フリンダース大学」「アデレード大学」の2校にてファウンデーションコースが実施されています。

 

また、首都特別地域(ACT)、タスマニア州(TAS)、ノーザンテリトリー(NT)でファウンデーションコースが実施されているのは、それぞれ「オーストラリア国立大学(ANU)」「タスマニア大学」「チャールズ・ダーウィン大学」の各1校です。

まとめ

オーストラリアの「ファウンデーションコース」は、オーストラリア現地の大学へ進学するために必要な準備コースですが、大学生活で必要な知識やスキルをしっかりと学ぶことができる、とても有益なコースです。

 

ファウンデーションコースは基本的に各大学内で行われるため、大学に入学する前に大学の雰囲気に慣れることができるという点も魅力的。現地の学生と一緒に海外の大学に通うというのは、大きな不安が伴うものです。

 

現地の学生たちの中でも充実した大学生活が送れるよう、オーストラリアファウンデーションコースで、しっかりとオーストラリアの大学生としての基盤を作りましょう。

呑村紗也佳

私にとって海外留学は、「それまで持っていた常識や当たり前を180度覆し、価値観がぐんと広がった」そんな経験でした。もともと留学や海外に興味はなかったですが、両親が留学を勧めてくれたのをきっかけにオーストラリア・カナダ・アメリカで計4年ほど海外生活を送りました。

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