オーストラリアのレンタカー。運転で注意すべきことや借りる手順。

前置き

 

ワーホリや留学でオーストラリア生活をする中で、観光名所への観光やワイナリー巡り、ビーチやキャンプに行くときに行動範囲を大きく広げてくれるのが車です。オーストラリアは交通インフラが発達しているので、電車やバス、トラムでさまざまな場所に行けますが、荷物や時間の融通を考えると、やはり車が便利ですよね。そこで今回はオーストラリアのレンタカーについて、オーストラリアの交通事情も踏まえてまとめたいと思います。

レンタカーはどこで借りられる?

 

日本と同じように、主要空港には基本的にレンタカーショップが入っています。オーストラリアには10を超えるレンタカーショップがあり、中心地近くの街中でもよく見かけます。Hertz、AVIS、Eurocar、Thriftyあたりはよく見かけるレンタカーショップです。

レンタカーを借りる手順

 

 

①予約 店舗のサイトで直接予約することもできますし、日本語で「オーストラリア、レンタカー」のように検索すると、エクスペディアのような比較サイトがいくつか出てきます。こういったサイトを経由して日本語で予約をすることも可能です。その方が間違いが無くて安心です。

 

②店舗への受け取り 店舗に出向き、いくつか説明を受けて支払いの手続きをして、鍵を受け取ります。日本と少し違うのは、店員さんと一緒に車両状態をチェックしてサインしてからスタートという部分は省略されていて、受付でカギを渡されて行ってらっしゃいと言われて終わりです。 また、この時にデポジットを支払う必要があります。デポジットとは保証金のことで、デポジットの額はレンタカーショップによって設定が変わりますが、200ドル程度求められると思っていてください。一旦預けて、不備なく車を返却すれば全額戻ってきます。

 

③店舗への返却 借りた店舗に車を返却します。この時ガソリンは満タンの状態で返却が必要です。店員さんによる車の状態確認が済んで、不備が無ければ終了となります。 日本でレンタカーをするのと同じ手順と思って問題ありません。デポジット含め、レンタカー代をカードで支払うケースも多いと思いますが、デポジットは返却後から少々時間差での返金となります。

オーストラリアのレンタカー事情

 

 

オーストラリアにはホールデンという国産車がありましたが、2017年に製造が終了しました。現在はオーストラリアの国産車は無く、日本車のシェアが50%を占めていると言われています。どこのレンタカーショップを見ても、選択肢の中にトヨタや日産といった日本車を見かけるでしょう。

 

車好きであれば外車を運転してみたいと思ったかもしれませんが、あるのは韓国車KIAや日本でもお馴染みベンツなどのドイツ車あたりになります。一方で、オーストラリアでの運転に少しドキドキしている人にとっては見慣れた日本車が多いのは安心です。

 

大雑把なところが目立つオーストラリア人ですが、レンタカーはとてもキレイに清掃されていますので汚すことが無いように注意しましょう。また、オーストラリアのレンタカーにカーナビは基本的にありません。Google Mapのナビ機能が優秀なので、遠出する時はGoogle Mapの活用がおすすめです。

 

なお、オーストラリアの車は未だにマニュアル車も多くあります。マニュアルで免許を取った人でも、今さらマニュアルは不安という人も多くいると思います。予約の段階でオートマに絞って探すことをお忘れなく。

レンタカーを借りる前に

 

 

車の運転に必ず必要なものと言えば「免許」です。「国際免許証」を出発前に発行しておくと便利です。国際免許証は、警察署・運転免許センター・運転免許試験場で申請、取得が可能です。

 

免許証と国際免許証用の写真(縦5cm×横4cm)、パスポートなどの海外渡航を証明するもの、申請手数料の2,350円を持って行けば、行ったその日に手配してもらえます。これがあれば手続きした日から1年間オーストラリア国内での運転が可能です。国際免許証の有効期限は1年間と決まっています。 ちなみに、国際免許証で運転できる国はジュネーブ条約加盟国であればどこでも適用されます。実に多くの国が加盟しており、オーストラリア以外もニュージーランドやフィジーのオセアニアに加え、アメリカやカナダ、イギリスやスペインなども、この国際免許証があれば運転が可能となります。 例えば、オーストラリア留学中に近くのニュージーランドに旅行に行くとなった時も、国際免許証を持っていればニュージーランドでも運転ができるというわけです。

 

現在オーストラリアは、国際免許証が無くても、日本の免許証とその翻訳書があれば運転が可能です。免許の翻訳書はオーストラリア国内の日本大使館で発行してもらえます。国際免許証があればもちろん問題なく運転できますが、もし用意を忘れてしまった場合は大使館で免許の翻訳書を作ってもらいましょう。 オーストラリアはワーホリのセカンドビザ制度もある国なので、2年間滞在する人も多くいます。1年目は国際免許で、期限が切れたら免許の翻訳書を用意するというやり方も問題ありません。

オーストラリアの交通事情

 

 

オーストラリアは日本と同じく右ハンドルの左側通行です。都心部はごちゃごちゃした道も多いですが、少し外れれば信号も少ない一本道が多いので、日本よりも運転しやすいと思います。ただ、日本とは異なる点もいくつかあるので、順にご紹介します。

ランナバウト

オーストラリアの道路で特徴的なものは、「ランナバウト」です。ランナバウトは至るところにあるのですが、大きな円になっている信号無しの交差点のことです。初めての人はどのように通行すれば良いのかルールがなかなか掴めないと思いますが、通行ルールはとてもシンプル。ランナバウト常に時計回りで、自分が進入しようとしている位置の右側から来る車が優先、という2点を理解していればOKです。 自分の右側から車が来なくなったら左側に進む、常にこの進み方です。自分の位置を6時の位置とした時、3時の方向(普通の交差点であれば右折)に進みたい場合は、一旦左側に進み、円を9時→12時のような時計回りに周って、3時の道に進入となります。 交通量の多い都心部の交差点は信号ですが、少し外れたり住宅街はランナバウトになっていることが多いですので、この交通ルールを覚えておきましょう。

縦列駐車

オーストラリアは縦列駐車できるスペースがとても多いです。ちょっとカフェでコーヒーを買いたいような時くらいは活用したいところですが、みんな縦列駐車に慣れているのでモタつきません。モタモタしているとすぐにクラクションを鳴らされますので、自信が無い場所ではやめておきましょう。

田舎道は動物が多い

オーストラリアは自然が多い国なので、田舎に行くと野生動物がたくさん生息しています。特に夜中に走っていると小動物が道路にいることはよくあります。衝突はもちろんのこと、急ブレーキや急ハンドルも危険ですので、十分注意してください。

スピード違反にとても厳しい

飲酒や信号無視など基本的な交通違反は日本と同じようなものです。その中でもスピード違反は日本の感覚で走行していたら全員捕まってしまうくらい厳しいので、よく覚えておいてください。 日本の場合、特に高速道路だと法定速度に対して10キロ程度オーバーしていても検挙されることは少ないですが、オーストラリアは2キロオーバーでもしっかり捕まります。おそらくオーストラリアで運転すれば気が付きますが、みんな法定速度通りに運転しています。これは取り締まりが厳しい証拠。高速にはオービスも設置されています。

 

罰金の額は都市によって差がありますが、数キロオーバーだとしても100ドル以上(ざっくり1万円~)は覚悟しましょう。20キロも30キロもオーバーしていたら、オーストラリア国内で運転はできなくなると思ってください。なお、罰金の支払いは遅れるとどんどん利息が加算されますので、罰金をもらったら早めに支払いましょう。

 

オーストラリア国内に日本の食品などを扱う業者があり、よく車での配達員の仕事を募集しています。ワーホリビザの人でもできるとあって人気がありますが、オーストラリアは仕事中のスピード違反にはもっと厳しい罰則を設けており、ほんの数キロのオーバーでも1,000ドル単位の罰金になります。仕事中のこととは言え、全額会社負担とはなりませんのでスピード違反には十分注意してください。

ガソリンについて

 

 

オーストラリアのガソリンスタンドはセルフサービスです。日本でいうところのレギュラーガソリンは、「Unleaded」、日本でいうところのハイオクは、「SupeもしくはPremiam」と表記されています。レンタカーの多くはUnleadedで問題ないはずなので、Unleadedを選択し、あとは日本のセルフのガソリンスタンドと同じ要領で給油します。

 

給油が完了したらレジに行き、自分が給油した番号を伝えると清算してもらえます。シドニーやメルボルンのような主要都市のガソリンスタンドには、給油する機械にクレジットカードを読み込む機能が付いているので、わざわざ窓口に行かなくても清算可能ですが、地方スタンドでは対応していないところが多いです。

もっと便利にレンタカー「car-next-door」

 

 

オーストラリア全土にまで広がっているサービスではありませんが、非常に便利なレンタカーサイト「car-next-door」をご紹介したいと思います。日本で同様のサービスを挙げると、「Anyca」というアプリでのサービスがこれにあたりますが、「個人の車を使っていない時にレンタカーとして貸し出す」というサービスです。メリット・デメリットは以下の通り。

メリット

・家の近くで借りられる可能性がある

 

・レンタカーショップよりも安い車もある

 

・1時間~2時間程度の短時間でも借りられる

 

・ガソリンを入れる必要が無い(ガソリンが無くなった場合に給油した分は返金してもらえる)

 

・24時間の中で調整できる

 

・持ち主に会う必要が無い(鍵はキーボックスに入れてあり、指定されたナンバーで開錠可能)

 

デメリット

・車内外が汚れていることがある

 

・場所によっては登録されている車が少ない

 

・マニュアル車が比較的多い

 

一般的なレンタカーショップはコンビニのようにどこにでもあるものではないので、住んでいる場所によってはわざわざ遠くに借りに行く必要があり、なかなか借りる気にならない人も多くいるでしょう。 例えば、レンタカーを借りてビーチに行って、みんなでBBQというプランだったとします。その時に想定される手順は、

 

1、レンタカーショップに車を受け取りに行く

 

2、荷物を積むために一旦家に戻る

 

3、乗せる人がいれば待ち合わせ場所に迎えに行く

 

4、現地に向かう

 

5、帰宅途中に乗せた人をどこかで降ろす

 

6、家に戻り、荷物を降ろす

 

7、ガソリンを入れる

 

8、レンタカーショップに車の返却

 

9、帰宅

 

家からレンタカーショップまで近ければ良いですが、距離がある場合は上記を考えただけで疲れてしまいそうです。 そんな時に便利なのが、car-next-door。一般の人が使っていない時に自家用車を貸し出しているので、住宅地では登録車が多いことが期待できます。都心部から離れたところに住んでいても、家から徒歩圏内で借りられる可能性も十分にあります。

 

また、時間は1時間5ドル※のような設定になっているので、遠方に行くときだけでなく、スーパーで多めに食料や飲み物を買いに行きたいちょっと使いにもレンタルしやすくて便利です。1日借りても25ドル程度でレンタル可能な車もあるので、運良くコスパの良い車を見つけられれば、運転の回数は格段に増えるでしょう。※金額の設定は持ち主によって違います。

 

走行距離に対してガソリン代を計上されて合計金額が提示されます。なので、ガソリンを入れに行く必要はありません。もし、遠出をしてガソリンが無くなった場合に給油した分は、レシートを登録すれば返金されます。持ち主に会って借りて返却するわけではないので、レンタカーショップのように営業時間を気にする必要もありません。

 

非常に便利なサービスである一方、マニュアル車が比較的多い点と、自家用車なのであまり清掃が行き届いていない場合があることはマイナス面に挙げられます。貸出主と会わずにレンタルとなるので、レンタルする際は出発前に外装の写真を取って、万が一にも後々傷が付いたと言われた時に対処できるようしておきましょう。 なお、car-next-doorに登録料や入会金はありません。

まとめ

 

 

いかがでしたか。オーストラリアのレンタカー事情は日本とほぼ同じです。日本でレンタカーを利用したことがある人なら問題なく対応できるでしょう。交通面も難しいことはありません。ただし、日本で運転する時よりも違反にはくれぐれも注意です。海外に行くと気が大きくなってしまう人がいますが、ぜひ、安全運転を心がけましょう。

永井将馬

オーストラリアのメルボルンにワーキングホリデーで渡航しました。メルボルンでは語学学校で一般英語を学び、市内にあるユニクロでアルバイトを経験。休日には職場のオーストラリア人と出かける事が多く、現地の人の視点でメルボルンの魅力を感じる事ができました。アメリカ留学の経験もありますので、アメリカとオーストラリアの違いもお話できます。

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