カーティン大学は、西オーストラリア州の州都パースにある、国際色豊かな総合大学です。
1987年に創立されたこの大学は、もともとオーストラリア初の工科大学として誕生し、世界中から学生が集まる人気校として知られています。特に、工学やビジネスなどの分野で高い評価を受けており、実践的に学べる教育機関として注目人気です。
大学のメインキャンパスは、緑に囲まれた静かな住宅街ベントレーに位置しており、落ち着いた環境のなかで勉強に集中できることも魅力のひとつでしょう。1. 学校概要
まずはカーティン大学の基本的な概要についてお伝えします。
1-1. 特徴
ここでは、カーティン大学の特徴についてご紹介します。
1-1-1. さまざまなランキングにおいてランクイン
カーティン大学は比較的新しい大学でありながら、さまざまなランキングにランクインし、すでに世界的に高い評価を受けています。たとえば、世界大学学術ランキング（ARWU）2024では世界のトップ1％にランクイン。QS世界大学ランキング2025では174位にランクインしています。
1-1-2. 各業界との連携による実践的な現場体験
カーティン大学では、産業界との強い繋がりを活かして、学生が在学中から現場の経験を積める仕組みが整っています。実際の研究やプロジェクトに参加できるワークインテグレーテッドラーニングやインターンシップを通して、社会で役立つ実践的なスキルや人脈を身につけられるのです。
1-1-3. 学生のための充実した施設とサポート
カーティン大学は、飲食・小売施設や医療センター、学習スペースなども充実しています。また、年間を通じて、キャンパス内ではさまざまなイベントを開催。オリエンテーション週間やフードトラック、クラフトワークショップなど、学生が交流しやすい環境と言えるでしょう。
2. 提供コース
ここでは、それぞれのコースで何が学べるのかを詳しくご紹介します。
2-1. 大学課程
大学課程では、自分の興味や将来の目標に合わせて専攻を選べます。
2-1-1. 農業、環境、食品科学
自然や食の分野で貢献したい人にぴったりのコースです。
たとえば、「農業科学」では、作物の育て方から農地の管理、気候変動への対応までを幅広く学びます。「環境科学」では、環境汚染の原因やその対策、自然資源の保護などを扱います。「食品科学」では、食品の栄養や安全性、保存方法、製造工程などを学びます。
2-1-2. デザイン、クリエイティブ
クリエイティブな仕事がしたい人に人気の分野です。たとえば、「グラフィックデザイン」では、広告や出版物のデザイン技術を学び、「デジタルメディア」ではアニメーション、ゲームデザイン、UI/UXなどを扱います。
2-1-3. ビジネス、経営、マーケティング
企業経営や、商品が売れる仕組みについて学びたい人におすすめです。「会計」「ファイナンス」「経済学」「マーケティング」「国際ビジネス」などのコースがあり、どのコースも理論だけでなく実務にも重点を置いています。
2-1-4. 文化、語学
英語以外の言語や、異文化について深く学べる分野です。「アジア文化研究」「翻訳・通訳」「英語教育」などのコースでは、言語スキルだけでなく、その国の歴史や文化的背景まで理解を深められます。
2-1-5. エンジニアリング、工学
工学系コースは、実験・実習が豊富で、理論だけではなく実践も積めることが魅力です。カーティン大学は、QS世界大学分野別ランキング2025において、鉱物および鉱山工学分野で世界第5位にランクイン。「鉱山工学」では、資源国オーストラリアならではの学びが得られるでしょう。
2-2. 大学院課程
より専門性を高めたい方には、大学院課程があります。ここでは大学院課程のコースを見ていきましょう。
2-2-1. 幼児、初等、中等教育
教育に関する学びを深めたい人に向けたコースです。教育理論から実践的な授業の進め方まで、教育現場にすぐに役立つスキルが身につきます。教育実習や現地の学校との連携があるため、実際の教室で経験を積めますよ。
2-2-2. 国際ビジネス、人事、ファイナンス
グローバルな視点や金融知識などを身につけたい方におすすめです。戦略的マネジメント、人材育成、財務戦略など、企業で活躍するための知識を深く学べるでしょう。たとえば、「国際ビジネス」では国際ビジネスの世界で働きたい人に向けて、現代的なビジネス知識を提供しています。
2-2-3. 芸術、美術
クリエイティブな分野でキャリアを築きたい人に向けたコースです。作品制作だけでなく、現代アートの理論、アートビジネス、キュレーションなども学べることが特徴。自分のスタイルを確立しながら、プロとして活動するための準備ができます。
2-2-4. データサイエンス、コンピュータサイエンス
今注目のAIやビッグデータ、プログラミングのスキルを学べる人気分野です。プログラム言語、データ解析、ネットワークセキュリティ、人工知能など、業界ニーズの高い内容を体系的に学べます。
2-2-5. スポーツ理学療法
運動と身体の関係に興味がある人に向けた、専門性の高いコースです。スポーツ選手のけが予防やリハビリ支援、トレーニング指導などに関する知識を深く学びます。
3. 入学情報
ここでは、留学生としての入学条件や手続きについて説明します。
3-1. 入学条件
カーティン大学に入学するためには、条件があります。必ずチェックしておきましょう。
3-1-1. 英語力要件
カーティン大学では、以下のいずれかの英語能力試験でスコアを提出する必要があります。基本的な条件は以下ですが、コースによってはさらに高い英語力が求められる場合もあるので、詳細は各コースの入学要件を確認しましょう。
| 試験 | スコア |
|---|
| IELTS Academic | 総合スコア6.5以上、各セクション6.0以上 |
| TOEFL iBT | 総合スコア79以上、ライティング21以上 |
| PTE Academic | 総合スコア69以上、各セクション59以上 |
| Cambridge English（CAE） | 総合スコア176以上、各セクション169以上 |
3-1-2. より高い英語力が必要なコース
たとえば、以下のコースでは、より高い英語力が求められます。
| コース | スコア |
|---|
| 看護学 | IELTS 7.0以上 |
| 薬学 |
| 教育学 | IELTS 7.5以上 |
3-2. 入学手続き
カーティン大学への入学手続きは、以下のステップに従って進めましょう。
3-2-1. 留学生としての応募方法
カーティン大学に直接応募する場合、カーティン大学の公式ウェブサイトからオンライン申請フォームにアクセスし、必要事項を入力します。基本的な必要書類はこちらです。
・最終学歴の成績証明書（英語）
・英語能力試験のスコア証明書
・パスポートのコピー
そのほか、コースによってはポートフォリオ、推薦状などの追加書類が必要になる場合があります。また、一部のコースでは申請料が必要です。詳細は、各コースの情報をご確認ください。
留学生として合格すると、合格通知が届きます。合格通知を受諾し、必要な手続きを進めましょう。学費の支払い、学生ビザの申請、健康保険の加入などが必要です。
3-2-2. 交換留学の資格要件
カーティン大学との交換留学を希望する場合、以下の要件を満たす必要があります。
・認定された教育機関に在籍していること
・学士課程の場合、2年次以上であること
・GPAが2.75以上、平均B以上であること
・カーティン大学の英語要件を満たしていること
4. キャンパスライフ
続いて、カーティン大学で送るキャンパスライフの特徴についてお伝えします。
4-1. 施設・設備
カーティン大学のメインキャンパスであるベントレーキャンパスには、学生の毎日を支える便利な施設がたくさんあります。
4-1-1. 飲食店、ミニマート、銀行
キャンパス内には、手軽に食事ができるカフェやフードコートが複数あり、和食、アジア料理、ベジタリアン対応メニューなど多様な食文化に対応。また、日用品や軽食などをそろえたミニマート、銀行のATMや支店も敷地内に設置されています。
4-1-2. 医療センター
体調を崩したときやケガをしたときにも安心なのが、キャンパス内に設置されている医療センターです。一般的な診療に加え、メンタルヘルスに関する相談や予防接種、健康診断などにも対応しています。
4-1-3. 談話室、交流・イベントスペース
学業以外の時間も楽しく過ごせるよう、学生同士が交流できる共有スペースや談話室も豊富です。多目的ホールでは音楽イベントやフードフェスティバル、異文化交流会などが開催されることも多く、友達づくりのきっかけになるでしょう。
4-2. 周辺環境
ここでは、キャンパス周辺の暮らしや観光スポットについてご紹介します。
4-2-1. パースの治安と過ごし方
パースは「世界で最も住みやすい都市ランキング」にも度々ランクインする、人気都市です。気候は年間を通じて温暖で、湿度が低く、とても過ごしやすいことが特徴です。比較的治安が良く、夜の一人歩きなどに注意を払えば安心して生活できます。
4-2-2. 近隣の観光施設
週末や休暇中には、キャンパス周辺の観光スポットを楽しめます。たとえば「キングスパーク」は市内中心部にありながら自然が豊かで、ピクニックやハイキングに人気です。スワン川沿いではカヤックやサイクリングを楽しめます。
5. 留学生サポート
ここでは、カーティン大学が提供する留学生サポートについてご紹介します。
5-1. 学習支援
カーティン大学では、留学生に向けて学習支援制度を用意しています。
5-1-1. 奨学金プログラム
カーティン大学では、留学生向けの奨学金制度がいくつか用意されています。たとえば「Curtin Global Merit Scholarship」の対象になると、コースの授業料を20％免除。資格基準に当てはまる奨学金がないかチェックして、積極的に応募しましょう。
5-1-2. 無料のワークショップ
カーティン大学では、留学生向けに無料の学習サポートワークショップを定期的に開催。テーマは論文の書き方やクリティカルシンキングの考え方など、多岐にわたります。
5-2. 生活サポート
学業だけでなく、生活面でのサポートも充実しています。
5-2-1. カーティンコネクトによるサポート
「Curtin Connect」は、全学生のためのワンストップサポート窓口です。履修登録、学生証の発行、授業スケジュール、ビザ関連の相談など、大学生活に関するあらゆる質問に対応してくれます。
5-2-2. 心理カウンセリング
学内にはカウンセラーが常駐しており、無料で相談できます。言語の壁や文化の違い、人間関係の悩みなど、友人や家族には相談しにくいことも、話を聞いてくれますよ。
5-2-3. 在学生とのペアシステム
カーティン大学では「ピア アカデミック メンタリング（Peer Academic Mentoring）」を実施。これは在学生が新入生をサポートしてくれる制度で、履修のアドバイスからキャンパス案内、生活のヒントまで、さまざまな面で助けてくれます。
6. 卒業後の進路
ここでは、卒業生の進路と、在学中に受けられるキャリアサポートについてご紹介します。
6-1. 就職・キャリア実績
カーティン大学は、就職に強い大学としてオーストラリア国内外で高い評価を受けています。
6-1-1. 主な就職先
2023年のGraduate Outcomes Survey（GOS）によると、カーティン大学の国内卒業生の就職率は91％。残りの19％は国内の進学でした。カーティン大学は鉱山工学や資源関連、エンジニアリングなどの分野が強みであるため、そうした強みを生かした業界に就職する学生も多いでしょう。
6-1-2. 卒業生の体験談
カーティン大学の公式サイトや卒業生ネットワークでは、在学中の学びがどのように就職に繋がったかを語る体験談が多数紹介されています。たとえば、工学士を取得した学生が現在はソフトウェア開発、映画製作などで活躍している例などが見られますよ。
6-2. 就職支援
カーティン大学ではキャリアサポートも手厚く提供されています。
6-2-1. インターンシップ、アルバイト先の紹介
学内の「Careers Centre」では、学生が実際の職場を体験できるよう、インターンシップ先やアルバイト先の紹介を積極的に行っています。オーストラリア企業だけでなく国際企業との提携もあるため、グローバルな経験を積むチャンスも豊富です。
6-2-2. 応募時のフィードバックやアドバイス
履歴書やカバーレターのフィードバック、心理測定テストの実施など、実践的な就職活動サポートが充実しています。就職活動中に不安や悩みが出てきたときには、キャリアアドバイザーに個別相談してみましょう。
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